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竹森 まったくその通りで、むしろ私は「輸出」を「外需」と捉えることにしています。他方で、名目で見た「輸出-輸入」は「外需」というより、「貯蓄・投資ギャップ」と呼ぶべきだと思っています。
小峰 そうですね。
竹森 そう考えると、混乱した議論がいくらか整理できます。例えば「前川リポート」は「輸出-輸入」の意味での外需のGDP(国内総生産)に対する比を減らせという提案です。つまり「貯蓄・投資ギャップ」の縮小を指しているわけですから、解決のためには貯蓄を減らして、投資を増やす必要があり、そのための政策を考えるべきなわけです。
私は「前川リポート」の主張のように、当時の日本がこのギャップを解消すべきだったとは考えません。現時点についてもそうです。しかし、百歩譲ってたとえこれを解消する必要があると認めたとしても、それは貯蓄・投資の関係のリバランスによって解消すべきことで、医療のような特定の産業の育成を議論すること自体が的外れなのです。
当然のことですが、今回対談したアジア開発銀行総裁の黒田東彦さんは、中国の「輸出―輸入」が過剰であるという問題を、「貯蓄・投資ギャップ」の問題と正しく捉えておられました。
最近よく議論されている国際的なグローバルインバランスの問題も、やはり貯蓄と投資のバランスの問題です。したがって、どうやってアジアの貯蓄超過を減らして、米国の投資超過を減らすのか。それを考えなければなりません。
小峰隆夫 竹森俊平
名目で見た「輸出-輸入」は「外需」というより、「貯蓄・投資ギャップ」と呼ぶべき
この考え方はそのとおりなんだけど、新鮮