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河本:加えて“飽きること”も重要です。スポーツの練習や仕事をものすごくがんばっても、記録や能力の伸びない人がいますよね。そういう人には飽きる力がないのです。
――意味のない努力だというわけですか?
河本:コツコツやりさえすれば評価されてしまうのは、飽きることに含まれている重要さを掴みきれていないからだと思います。ただひたすら行うことに価値を置いていたら、いつまで経っても飽きることができない。そこで得られるのは、「私はがんばった」という自己満足だけです。
飽きるからこそ、まだ感じ取れていない何かを感じることができる。それが上達するということでしょう。
――自分が行っていることにただ甘んじるのでなく、飽きながらも上達していくには、何に気をつければいいのでしょうか?
河本:たとえば階段の上り下りにしても、歩幅や足もとへの視線を変えれば、うまく使えていない能力が何であるかが感じ取れます。
重要なことは、それを頭で考えてわかったつもりになってはいけないということです。意識してしまっては、意識で縛っている程度の動きしかできない。わかったような説明をした途端、本当に起きていることとは違うものとして取り違えてしまう。
トレーニングの段階では意識して獲得する必要があります。しかし、その意識を消さないかぎり、体は自由に動けない。
意識からすると、運動とは常に謎のものです。謎だから感じ取ったものをわかったつもりにしてはいけないのです。
「継続は力」が「飽きる力」を失わせる:日経ビジネスオンライン
河本英夫(かわもと・ひでお)
飽きるからこそ、まだ感じ取れていない何かを感じることができる。それが上達するということでしょう。