OTK's Memo

Jul 30

政治家も官僚もジャーナリストも、俗流化されたケインズ思想に囚われてしまっているからだ。問題の本質を見誤ったり、偏った結果をもたらす経済政策は、通常は既得権益を巡る争いだと説明されることが多い。だが、ケインズ自身が、『一般理論』の最後にこう述べている。

 「どのような知的影響とも無縁であると信じている実際家たちも、過去のある経済学の奴隷であるのが普通である。(中略)私は、既得権益の力は思想の漸次的な浸透に比べて著しく誇張されていると思う。なぜなら、経済哲学および政治哲学の分野では、25歳ないし30歳以後になって新しい理論の影響を受ける人は多くなく、したがって官僚から政治家やさらには扇動家でさえも、現在の事態に適用する思想はおそらく最新のものではないからである。しかし、遅かれ早かれ、良かれ悪しかれ、危険なものは既得権益ではなく思想である」。

 ケインズの没後およそ60年を過ぎて、日本においてはケインズ自身の思想が俗流化されて、政策を決定したり、それに影響を与える者たちの考えを支配しているという皮肉な状態になっているといえる。

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ケインズ自身が、『一般理論』の最後にこう述べている
経済哲学および政治哲学の分野では、25歳ないし30歳以後になって新しい理論の影響を受ける人は多くなく、
現在の事態に適用する思想はおそらく最新のものではない